内容

あれから10年

日本中が忘れられない10年前の3月11日。

あなたは何をしていましたか?

わたしは当時、介護認定委員をしていて、稲荷山公園近くの会議場で審査会に参加していました。

1時に始まり40分くらいで終わったので、確定申告の結果が出た頃なので、高田馬場にある顧問税理士を尋ねました。

約束は3時だったのですが、早めに着くことは承知で高田馬場に向かったのです。

少し遅い昼食を高田馬場駅前にあるお店で注文して、できるのを待っていたところ、体験したことのない大きな揺れがきたのです。

ついに天変地異が来たかと覚悟をしました。

出口をすぐに飛び出すと、上からの落下物に当たる可能性もあったので、冷静に揺れが収まるのを待ちました。

随分と長い揺れと感じましたが、一旦は収まりました。

そしてまた大きな第二弾の揺れが来たのです。

早稲田通りは片側二車線の広い道で中央分離帯があります。

そこにはパニックになった女子大生の多くが座り込んで泣いていました。

揺れがまた収まり、税理事務所に向かったのです。

事務所はビルの6階にあります。

普段ならエレベーターを使うのですが、停電はしていなかったのですが、動いていないので階段で上がりました。

税理事務所にはたくさんの社員がいましたが、仕事どころではありません。

そこにはテレビもラジオもなく情報はパソコンからのインターネットのニュースだけ。

その年度の納税額だけを聞いて、興味はあの地震は震源地はどこだったんだろう?それだけでした。

近くのJRの放送は耳に入りました。すぐに終日運休であることはわかりました。

でも、わたしの住んでいる三鷹は、地下鉄東西線でも帰れるのです。

JRはダメでも、東京メトロは大丈夫だろうと、勝手に判断して運転再開を待っていたのです。

3月11日は、もうすぐ春と思えるような日で、日も伸びてきたなと感じていたのです。

5時になり、東京メトロも運休とわかりどうやって帰宅するか、歩くしかない・・・

早稲田通りを三鷹方面に歩けば吉祥寺の近くまで行けるのはわかっていたので、歩き始めました。

わたしと同じように大勢の人が黙って歩いていました。

途中にある電気屋さんのテレビは外に向けられていてその前を止まらずにゆっくり歩きながら画面を横目で見たのです。

画面左上に日本列島の地図がありその海岸線は全て赤でした。

その地図からはどこが震源地かはわかりませんでした。

一部だけが赤なら、その近辺が震源地とわかるのですが、全て赤なのです。

歩道を歩いていました。車道は全く動かない車の渋滞です。

三鷹までは、中野、高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪、西荻窪、吉祥寺、三鷹と8つも駅があるのです。

いったい帰宅できるのは何時になるんだろう?不安になりました。

それと同時に家族の安否はどうなんだろう?

携帯電話でかけようとしたのですが、不通でした。

それでますます不安は大きくなりました。

やっとの思いで家に帰り家族全員の無事も確認できました。

テレビを付けると、どのテレビ局も地震のことばかり、やっと震源地が東北であり相当の被害であったことがわかりました。

でもその日は疲れてしまい、すぐに寝てしまいました。

次の朝、またテレビを付けると初めて津波というものを身近に感じました。

津波の映像は今見ても悲惨な感じでドキドキしてしまいます。

その日は土曜日で狭山に行かなくてはいけません。

もちろん診療のためです。

ところが、計画停電なるものがあり、診療所のあったイオンもフルタイムでは営業できなかったのです。

西武新宿線も運行に制限がありました。

家に帰るのにも不自由するので、1か月だけアパートの1部屋を借りました。

しかし、実際に泊まったのは2日くらいだけでした。

あの頃、どんなことを感じていたんだろう?不安に思っていたことは事実です。

駅も街中も節電でなんとなく暗く気分も沈みがちになり、元気が出る本を求めて、篠崎にある「読書のすすめ」を尋ねました。

「読書のすすめ」の店長清水さんは本のソムリエと言われているのです。

1時間以上かけて行く本屋にはベストセラーは置かないという店長の考えがあり、自分で読んで面白かった本をお客さんにすすめるという営業方針なのです。

本の話もしますが、世間話もします。

その時は、地震の話はもちろんしたのだが、地震後で街が沈んでいるのに、桜は去年と同じように咲く。そんなことを話したような気がします。

帰り道は気持ちも晴れて、空を見たり、樹木を見たりして、自然というのは地震に影響しないんだなと感心したものでした。

今はどうだろう?コロナで沈んでいるかな?受験生たちは希望通りの道が開けただろうか?

何があっても今年も桜は去年と同じように咲きます。

院長 高安洋

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