木馬新聞46号

内容

カレーは飲み物じゃない。

最近、特に感じることは咬み合わせはとても大事だということ。
ただ大事ではなくとても大事なんです。

昨年から通院を始めたQさんは、私からすると疑問だらけでした。

残っている歯が極端に少ないのです。
今まで通院していた歯医者では入れ歯を入れることを勧められなかったのだろうか?

考えてもしょうがないので本人に聞きました。
「前の歯医者さんは、入れ歯を入れようと、言われませんでしたか?」

「歯医者には、行ったことがないんです。」

なんで???だって前の歯医者が抜いたから、歯がないんでしょ?なんで?なんで?と考えても答えはでないので、また聞きました。

「歯を抜いた歯医者さんがいたから、歯がないんですよね?」

「いいえ、全部自分で抜いたんです」

えー、そんなことってあるの。歯は親知らずまで含めれば32本あるんだよ。
残りの歯の本数は7本、ということは20本以上を自分で抜いたんだ。

でも、おそらく10年以上前から相当数歯を失っていたはずだから、食事だって不自由していたはず。
ならば、食事は軟らかい物ばかりを選んで食べていたに違いない。

「今まで、この状態では軟らかい物ばかりを食べていたんですね。」そうだよね、そうに違いない。
しかしながら、この予想も外れたのです。

「いいえ、子供の頃からの癖で、咬まないで、飲み込んでいました。」
そういうのってアリなの??

じゃあ、歯が無くても不自由してなかったってこと?
では、今更なぜ治療に来たんだろう?

「今回は、どうしましょう?」素直に患者さんからの回答を待った。
「入れ歯を作ってもらいたいのです。前歯が無くてみっともないでしょ。」

そうですよね。などという風には言わないで、患者さんからの話を黙って聞き続けた。
その方は、他にも色々と病気があります。

医者には通院を続けているんですね。
続けているということは、通院しても終わりが無いというか治らないんですね。

でも、しっかりと咬めるようにしてあげれば、これらの病気も治るかもしれません。
今回の場合、入れ歯に少しでも違和感を持ったりしたら使ってもらえないかもしれないので、最初からミラクルデンチャーを勧めました。

印象(型取り)採得をして、次回は咬み合わせの高さを決めます。ここまでで2回の通院です。
このまま完成ということもあるのですが、この方の場合、上の歯と下の歯で共通にぶつかるところがないので、噛んでくださいと言うと、上の歯は下の歯肉に当たるところまで噛んでしまいます。
普通なら上下の歯がぶつかって止まるのです。

こうなると、自分の歯があった頃の咬み合わせを忘れてしまっています。
だから咬み合わせを決めるのは大変難しいのです。

そこで、咬み合わせの高さを決めてすぐに完成ではなく試適といって、完成手前で歯を並べて仮に入れてみるのです。
試適したところ、私が想像していたように、歯は並びませんでした。
その場で、歯並びを並べなおして完成させました。

さすが、ミラクルデンチャーです、見事に歯並びもきれいで、よく咬めそうです。
本人も、初めての入れ歯ですし、入れ歯を使っている友人からは、あまりいい評判を聞いていなかったようで、でも思ったより不自由しなかったようです。

十分にその場で調整をして、お帰りいただきました。
1週間後の感想が楽しみのような、不安でもありました。

ここで書くくらいですから、うまくいったわけですが、患者さんはこんな感想を言っていました。
「体に芯が入ったようだ」とのことでした。

これは当然なんですが、患者さんから言われると再発見するものです。
昔大学の生理学の教授の授業中に言った話を思い出しました。
こんな実験をしたそうです。
犬の右下の歯を上の歯に当たらないように削ったそうなのです。
そうしたら犬は立ち上がることができなかったそうです。

意外と真面目に授業中の話を聞いていたんだなと思いました。

Qさんは、その後はちゃんと咬んで食事をするようになりました。
歯を自分で抜けるくらいになったのは歯周病のためです。

これは入れ歯を入れただけでは治らないので、歯ブラシの仕方の指導や歯石を取るというような治療は続きます。

今の入れ歯が3年後には総入れ歯に作り替えたというようなことがあってはいけないのです。
Qさんの他の病気もきっとよくなります。
いいえ、よくならなければいけないのです。

院長 髙安洋

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