木馬新聞20号

内容

歯周病と全身疾患

歯周病は国民病とも言われています。

なぜならかかっている人が成人の8割から9割とも言われているからです。
歯周病になりたいですか?と質問したら100%なりたくないという答えが返ってくるでしょう。
でも、そういうあなたも既に歯周病にかかっているかもしれないのです。

歯周病って自覚症状がないと言われています。多分正確には痛みがないということでしょう。
確かに末期にならなければ痛みはないかもしれませんが、体は色々な方法で警告しているのです。

初期症状としては歯肉の色で訴えます。健康な歯肉は淡いピンク色をしています。
既に初期の歯周病や歯肉炎にかかっている方は現在の色が健康だと思っていたら歯周病にかかっていることに気が付きません。

また歯磨きをした時に歯ブラシに血が付いているとしたら、それは歯周病のサインです。
でも痛みはないのです。

でも毎日の出血だと、こんなもんかと自分を納得させてしまうことでしょう。

また、歯周病が進行すると歯肉が退縮するのです。
実は歯肉が退縮するということは歯を支えている歯槽骨(しそうこつ)という骨も溶けているのです。
これも痛みはありません。
でも視覚に訴えているわけです。

歯槽骨が一定以上溶けると、咬み心地が変わってきます。
例えば今まで咬めていた硬いものが咬めなくなってきたりします。

さすがに、ここまで歯周病が進行してしまうと、放っておけません。
食べられなくなるかもしれないからです。

歯周病をわかりやすく説明すると歯を支えている骨が溶ける病気と言えばわかりやすいと思うのです。
そして歯が自然に抜けることもあると思えばいいのではないでしょうか?

歯が抜けると、ご飯が食べられなくなります。
困りますね。

でも、ご飯が食べられなくなるだけでは済まないのです。

同じ国民病と言われるものに糖尿病があります。
わたしが歯科大学の学生だった30年前は糖尿病の方は歯周病にかかりやすいとか
かかると進行が速い、悪化しやすいと言われていました。

つまり、歯周病は糖尿病の合併症の一つと思われていたのです。
実際に糖尿病の人はそうでない人に比べると歯肉炎や歯周病に罹っている人が
多いという調査結果もあったのです。

さらに、最近では歯周病は糖尿病の症状を悪化させると言われています。
歯周病の治療をして症状が改善すると糖尿病も改善することが分かっています。

他にも歯周病と全身疾患については言われています。
狭心症、心筋梗塞にも歯周病が関わっているのです。

動脈硬化により心筋に血液を送る血管が狭くなったり、
ふさがってしまい心筋に血液供給がなくなり死に至ることもある病気です。

血管内に発生するプラーク
動脈硬化は、不適切な食生活や運動不足、ストレスなどの生活習慣が要因とされていましたが、
別の因子として歯周病原因菌などの細菌感染がクローズアップされてきました。

歯周病原因菌などの刺激により動脈硬化を誘導する物質が出て
血管内にプラーク(粥状の脂肪性沈着物)が出来、血液の通り道は細くなります。

プラークが剥がれて血の塊が出来ると、
その場で血管が詰まったり血管の細いところで詰まります。

これらは死に至る病です。

脳梗塞の原因にも
脳の血管のプラークが 詰まったり、
頸動脈(頸動脈)や心臓から血の塊やプラークが飛んで来て脳血管が詰まる病気です。

歯周病の人はそうでない人の2.8倍脳梗塞になり易いと言われています。

血圧、コレステロール、中性脂肪が高めの方は、
動脈疾患予防のためにも歯周病の予防や治療は、より重要となります。

他にも歯周病と全身疾患はたくさんあります。
わかりやすい画像があったので掲載します。
歯周病とからだの病気
8020推進財団 からだの健康は歯と歯ぐきから より

歯周病は予防も治療もできるのです。
今から予防すれば歯周病にかかっていない2割になれるのです。
(木馬歯科院長・髙安洋)

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