木馬新聞7号

内容

木馬歯科通信

11月3日(水)文化の日、藤巻五朗先生の講演会へ行きました。今回は還暦も祝しての記念講演でした。

藤巻先生との出会いは卒業後2年目のセミナーでした。先生は講師として指導してくれました。一緒に受けた生徒の中に先生の同級生がいて、「彼の診療室はすごい」という一言で見学してみたくなり、電話連絡して、見学させていただいたのです。右も左もわからない新卒にとっては最初、先生の診療内容のすごさはわかりませんでした。しかしながら、休みを利用して毎週通っているうちに、少しずつわかるようになり、いつかは先生のようになりたいと思いながら20年過ぎてしまいました。あの頃先生は40才、わたしもあの頃の先生の年齢を超えましたが、先生のレベルには達していません。なにが、すごいのか、患者さんの期待に応えるということです。

医療界では名医と呼ばれる人はいます。少し前なら「患者よ、ガンと戦うな」の慶応大学放射線科の近藤誠先生、去年あたりから話題になっていて本屋に行くと山積みされている「免疫」の新潟大学の阿保先生なんかはみなさんの知るところではないでしょうか?名優の芦田伸介さんが闘病していた時、「ガンと闘うなと言っても」などと言ってました。結局お亡くなりになりました。わたしが患者さんの言葉を代弁するなら、例えば日本医大や慈恵医大、東大の医学部でさじを投げられても、名医の所へ行けば治るということを期待しているのではないでしょうか?最近はあまり近藤先生のことが話題になりません。しかし医学界に一石を投じたということでは貢献しています。

阿保先生の本もけっこう読みました。おもしろいです。医学界に一石を投じるだけでなく、革命を起こしてもらいたいくらいですが、5年後に阿保式が残っていればと思います。

患者さんはブラックジャックを期待しているのではないでしょうか。わたしも主治医から見放されたらどこかにいるだろう、ブラックジャックを探したくなります。

藤巻先生はそんな主治医の歯科医から見放された患者さんのブラックジャックなのです。わたしの基礎は大学教育ですが、抜歯の条件なるものが教科書にはあるのです。ですから、抜歯の条件を満たした場合、患者さんもあきらめることが多いです。しかし、そこに疑問を持ったのが藤巻先生です。

診療室に遊びに行くといろいろな症例を見せていただけます。スライドやレントゲン写真など、先生からの質問を受けながら、わたしの常識からすると抜歯するのが当然というような歯がよみがえるのです。しかもそれが長期に渡ってなのです。ただし先生の治療は医患共同です、患者さんにもかなり治療に参加してもらっています。患者さんが治療に参加するとは、どういうことかと言うと、主に歯周病で悩む方が多いので、完璧なブラッシングを行うことです。

今回の講演の参加者は歯科医師と歯科衛生士だったのですが、先生は講演の中で「今回の患者さんはここへ来ている専門家たちよりもずっと上手にブラッシングをしている」とおっしゃっていました。我が木馬歯科でもかなりいいところは取り入れているのです。いつかブラックジャックのようになるよう精進していこうと思います。

講演にはアメリカからも来ていて、その方に5分ほど話してもらいました。ミシガン州立大学を出た日本人の青年歯科医師でした。アメリカの歯科の現状をお話されました。タイムリーな話題として日本の若者が世界がどこも日本と同じように平和で治安がいいと思っていたら、イラクはそうでなく殺されてしまった、という話から、アメリカでは20代、30代で総入れ歯をしている人がかなり多いのだそうです。信じられませんでした。日本では50を超えなければ部分入れ歯ならともかく総入れ歯はありえないのです。日本とアメリカの違いはどこにあるのでしょうか?食生活?はずれです。うちのスタッフ
も驚いていましたが正解者はなしです。何人かの患者さんにも質問しましたが。正解しません。

答えを言いましょう、保険制度にあります。アメリカの場合全員が保険には入っていません、入れない人も大勢いるのです。そこで治療費ですが、かぶせる治療を例にとると根の治療に一五〇〇ドル、かぶせ物に一五〇〇ドル。1本の歯を機能させるのに三〇〇〇ドルほどかかります。約35万円です。しかもアメリカは訴訟世界です、根の治療してその後、経過が悪いと訴訟になるのだそうです。総入れ歯は比較的安くて二〇〇〇ドルだそうです。ですからお金がなければ抜歯して入れ歯という選択しかないわけです。その場ではお金がないと治療方法が限定されるのはよくないと思ったのですが、数日考えて。

待てよ、8020では日本は4.7本でアメリカは14本だったはず。8020(はちまるにいまる)80歳で歯を20本残すという労働厚生省の目標値です。4.7本とはなんともお粗末な現状ですが、80歳でも歯が20本以上残っている方はかなりいるのですが、総入れ歯の人は0ですから平均値を下げているわけです。でも、おかしいですね。アメリカは20才代や30才代で総入れ歯がかなりいると聞いたではないか。その人たちは平均値を下げているとしたら、日本より8020は低くなければいけないはず。しばらく、考えていたわたしの結論です、間違っているかもしれません。20才代や30才代で総入れ歯にした方はカウントされないのではないだろうか?カウントされないというのは80才前に亡くなっているのでは、と思ったのです。

世界一長寿の我が国。なにがそうさせたかといえば歯科治療の進歩があるのではないでしょうか?木馬歯科にかかわった方が健康で平均年齢が百歳なんてこともありえるかもしれません。医患共同で死ぬまで健康を目指しませんか?

関連記事: